中学生の通信教育で成績を上げることができるのか?という質問をされることが多いです。
塾講師としては「塾に行った方が成績が上がりますよ」と言いたいところですが、今の通信講座を見ると軽々しくそんなことは言えません。
私が中学生だったころの通信教育と言えば、紙媒体が中心で参考書を読むのと何ら変わりはありませんでした。
添削をしてもらえる通信教育もありましたが、それでもレベルはそこまで高くなく、周りの中学生も飽きてやらないことが多かったです。
ですが今の中学生向け通信教育は、かなりレベルが上がり使い方によっては塾や家庭教師よりも成績を上げられると感じています。
ただ塾講師目線でのデメリットもあるので、中学生が通信教育でどうやれば成績が上がるかを説明します。
最後に特におすすめできる通信講座も紹介するので、よかったら参考にして下さい。
中学生の通信教育はレベルが上がっている
冒頭での説明しましたが、今の中学生向け通信教育はかなりレベルが上がりました。
昔に比べて勉強を楽しめる工夫が多く、多くの中学生(受験生含む)が勉強のツールとして利用するのもわかります。
特に通信教育で凄いと感じているのは、
- 授業動画の質がとても高い
- 成績を上げる工夫が満載
この2点に関しては、塾や家庭教師に匹敵するほどではないかと思います。
授業動画の質がとても高い
個人的な意見になりますが、昔の通信教育は「読み」が中心で勉強が好きな中学生以外にはおすすめできませんでした。
学校の教科書より丁寧に解説している参考書なども付属していましたが、それでも勉強が嫌いな中学生には読む気が出ない内容でした。
それほど通信教育に意味はないと感じていた私ですが、今の通信講座はこの欠点を見事に克服しました。
それが動画による授業で、しかもその質は凄くレベルが高いものでした。
レベルが高いと言っても難しいという意味ではなく、誰でも勉強に興味が持てる授業を動画で見れるという意味です。
テキストを読むのに比べて、動画は流し見でも効果があるので中学生の勉強に最適です。
ただ、その内容がつまらなければ、結局見ることを止めてしまうでしょう。
ですが良い通信教育の動画は、首都圏で有名な講師が行っているので楽しく見ることができます。
塾講師としても参考になる動画が多く、それだけでも利用する価値はあると感じました。
成績を上げる工夫が満載
もう一つ、今の中学生向け通信教育で目を見張るのは、成績を上げる工夫がたくさんあることです。
中学生の勉強で、成績を上げるために大事なことは進捗管理になります。
どんな子供でも得意な分野と苦手な分野があり、苦手な分野を克服しなければ成績は上がりません。
ですが昔のテキストベースの通信講座では、確認テストをして添削が返ってくるだけでした。
その後に勉強するかは子供次第で、間違った問題を放置して次に進んでしまう人が多かったと思います。
今の通信講座は、子供の勉強の進捗をタブレットやPCで管理できる機能ができました。
画面を見れば勉強の進捗がわかるので、苦手な分野があれば何度でも復習できます。
親の管理は必要になりますが、それでも膨大な紙から探す必要がなくなったのは凄いことだと思います。
中学生の通信教育を使っても成績が上がらない生徒とは
中学生向け通信教育をかなり褒めましたが、それでも使うだけで成績を上げるのは難しいと思います。
その理由は、私が教育業界に関わっているから知っていることになります。
実は単純なことなのですが、通信教育を利用しても勉強しない中学生はまだまだ多いと思います。
確かに勉強が楽しくなる工夫をしていますが、それでも勉強嫌いな中学生には退屈な内容に感じてしまうでしょう。
また通信教育は基本的に自主的に行う勉強なので、一人でコツコツ勉強できなければ挫折してしまいます。
そもそも勉強が嫌いな中学生に、勉強を楽しいと思わせるのってすごく難しいのです。
では勉強が嫌いな中学生には、通信教育は意味がないのでしょうか。
塾講師としては塾に行った方がいいと言いたいですが、残念ながら塾や家庭教師が最善の勉強法ではありません。
なぜなら勉強嫌いな中学生だと週に1回や2回の塾や家庭教師で、成績を上げるのは難しいからです。
そこで、おすすめなのが塾(家庭教師)と通信教育の併用になります。
通信教育と塾(家庭教師)を併用するメリット
これは絶対ではないのですが、通信教育と塾(家庭教師)を一緒に利用して成績を上げる中学生が増えています。
全てではないのですが、特に著しく成績が上がっているのは塾の復習に通信教育を使う生徒です。
まず本音を言いますと、塾の授業だけで全てを理解できる子供はいません(稀にいますが例外です)。
成績が良い中学生でも、塾で覚えたことを家に帰って復習して知識を定着させています。
忘却曲線というものを聞いたことがある人もいると思いますが、人間は基本的に忘れる生き物です。
勉強したことは次の日には50%忘れ、その翌日には30%忘れと、どんどん忘れていくのです。
それでは成績が良い中学生は何故覚えているのか、その理由は復習になります。
塾で覚えたことを家で復習する、これだけでも普通よりぐっと覚えることができます。
ただ1回の復習で全部は覚えないので、できる子供は何回か復習しています。ですが1回でも意味はあります。
この復習に通信教育を使うと、かなり効果があるのです。
先ほど説明したように、中学生向け通信教育の動画はかなり質が高いです。
塾で習ったことを動画で見直してみると、驚くほど理解できることに気づくはずです。
悔しいですが、下手な塾の先生よりも説明が上手いので、逆に「良く分かった」となる生徒も多いんですよね。
たったこれだけのことですが、本当に効果があるので是非試してほしいです。
学校の授業の復習でもOKです
この勉強法、塾講師としておすすめできるのですが、問題はお金がかかることですよね。
塾と通信教育の併用は金額的なデメリットがあるので、それはちょっとというご家庭も多いと思います。
ですが心配はいりません。
学校の復習として通信教育を利用しても、塾と同じ効果は期待できます。
塾や家庭教師は結構いい値段になるので、まずは中学校の授業と通信教育を併用してみるのもおすすめです。
中学生の通信講座を比較!おすすめを紹介
それでは、中学生向けの通信講座を紹介したいと思います。
個人的に使ってみて有名どころは、さすがに良くできているなと感じました。
その中でも特におすすめのものを紹介するので参考にしてください。
トウコベ
オンライン家庭教師トウコベは、東大生による個別指導が受けられるのが特徴です。
現役の東大生、東大院生を中心とする優秀な講師陣による質の高い授業を、完全マンツーマンで受けることができます。
また、講師自身が難関を突破した経験を生かし、お子さん一人ひとりに合った勉強法を考えてくれます。
プロ家庭教師ではなく学生講師ですが、お子さま一人ひとりに合った勉強内容や勉強方法を把握するプロフェッショナルの東大生講師が教えてくれるので、まずは資料請求だけでもする価値があります。
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スマイルゼミ
中学生向け通信教育で、常にトップクラスの人気となっている教材です。
ジャストシステムが提供しているサービスで、学習管理の機能がとても充実していると感じました。
正直、授業の内容などは凄く良いわけではないのですが、専用タブレットが優秀で使いやすいのが特徴です。
ただ勉強嫌いな子供が利用するなら、親の管理は必須かなと思いました。
学習管理機能が素晴らしいので、親が監視しながら勉強するには最適な通信教育です。
東進オンライン学校
東進オンライン学校は、東進ハイスクールと四谷大塚がコンビを組んで小中学生に向けて始まった通信教育です。
四谷大塚は65年以上の歴史を持った中学受験に精通した塾です。そして、2020年には中学受験用の教材でシェア№1を獲得しています。
さらに中学部の授業は、現役東大合格実績日本一の東進講師陣が担当します。
オンラインで実力派講師の授業を受けれるので、勉強嫌いの子供からも評価が高いです。
理解度を定着させる確認テストもあるので、なかなか成績が上がらない生徒にもおすすめです。
無料資料請求&お試し期間があるので、まずはどんな内容かだけでもチェックする価値があります。
スタディサプリ
「スタディサプリ」はリクルートが提供している通信講座で、高校受験で3人に1人が利用していると言われている通信教育です。
評判が良い通信講座だけに、かなりレベルが高くどんな生徒にもおすすめできます。
特に素晴らしいのが授業の動画で、超有名講師が解説しているだけにとても理解しやすいと中学生の口コミがとても良いです。
欠点を挙げるとすると、担当の先生などがいないので、一人で勉強してわからなかったときに対策ができないことです。
このデメリットは大きいですが、月額980円でこのレベルは他にはありません。
Z会 中学受験コース
Z会なので基礎から応用まで、幅広く対応している通信教育です。
添削もあるので、基本的にどの中学生にもおすすめはできますが、やはり目を引くのは高いレベルの授業も行っていることです。
どちらかと言うと、難関校を受験する中学生に利用してほしい教材が多いです。
あと気になったのはiPadなど限られた端末でしか使えないことです。
進研ゼミ チャレンジタッチ
進研ゼミは紙媒体の頃から、良くできている内容で評価できる教材でした。
では今の通信教育ではどうかと言うと、更に内容を充実させた印象です。
特に中学生の成績アップに欠かせない、苦手な分野を強化させる工夫はかなり充実しています。
バランスが良い教材で中学生の通信教育でイチオシですが、気になるのは金額くらいです。
それでも平均的な金額より安いので、おすすめ教材として紹介できます。
すらら
「すらら」は勉強が嫌いな子供の教育に力を入れています。
その特徴はサポート力で、担当のコーチがついて勉強の進捗管理を行うので塾や家庭教師と同じレベルのことを通信教育でできます。
勉強が苦手な子供は、無理にペースを上げて勉強すると挫折しますが、その点も良く理解しているので安心です。
デメリットは金額で、他の通信教育に比べると高く感じてしまいます。
通信教育で失敗しないために
中学生に限らないのですが、通信教育で失敗する生徒はかなり多いです。
その理由は、授業の内容が理解できないからです。
いくら通信教育の質が上がっても、やはり全ての中学生が理解できるわけではありません。
理解できないと勉強がつまらなく感じますし、お金をかけるのも無駄になります。
もし子供が通信教育に興味を持てなければ、別の通信教育を利用したり、塾や家庭教師も検討してみて下さい。
勉強法は人によって合う合わないがあり、相性が悪いといつまでも成績は上がりません。
塾でも良くあるのですが、先生が変わったら一気に成績が伸びる生徒もいます。
利用している通信教育で駄目だったら、別のものも試してみましょう。
今の通信教育は、無料体験があるのでどんなものか試すことができます。
中学生はちょっとしたきっかけで伸びるので、色々な可能性を試してみて下さい。